漫画アシスタント・同人作家のインボイス制度

税・確定申告
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焦らなくていい免税事業者もいる

最近Twitterで見かける「インボイス制度」
フリーランスの危機と言われていて気になってる方多いんじゃないでしょうか。

インボイス制度についてはこちらの動画がわかりやすいです。

Youtube|本当によく分かる消費税軽減税率・インボイス ①フリーランスも課税に

本当によく分かる消費税軽減税率・インボイス ①フリーランスも課税に

「課税業者にならなくちゃってなに??」
「売上の10%を消費税として払わなくちゃいけない??」
「インボイス制度が始まったら税金が10%増えるってこと!?」

などと色々言われていますが、
私はとりあえず現状維持(免税事業者のまま)で大丈夫かな?と思っています。

私のような規模のアシスタントさんや同人作家さんも同様だと思います。

ということで今回はこのインボイス制度について説明していきます。

免税事業者なのに消費税を払うことになる!?

まず、もともと売上の消費税の納税義務があるのは年間売上1000万円以上ある事業者です。

アシスタントや同人作家でこのラインを超える収入の人はそうそういないと思うので
ほとんどの人が「免税事業者」となります。
免税事業者は売上に消費税かかりません。払う必要がないのです。

どういうことかというと、建前上、売り上げ代金には消費税が含まれていることになっています。
例えばアシスタントの場合日給1万円がデフォルト金額だと思いますが、
これは日給9091円+税909円=計10000円という感じだと思ってください。
ただ、漫画家さんもアシスタントも免税事業者なことが多いので、そこはあまりふれられていないことが多いです。

売上1000万円を超える事業者になると、日給と消費税は別物になり、消費税部分は納税しなくてはいけなくなります。
上記の例だと「909円」の部分ですね。
これは一時的に預かっているだけで、所得税と同じように申告して納税する必要が出てきます。
受け取った金額が10000円でも、売り上げ自体は「9091円」のみとなるわけです。
免税事業者は、その消費税部分を考えなくていいため、合計金額10000円が丸々売上、という考え方になります。

ではその「免税事業者も消費税を払わなくちゃいけなくなる」と言われているのはどういうことなのか
を説明します。

課税事業者と免税事業者の取引の場合

売上1000万円以上ある漫画家(課税事業者)から10000円(含税)で依頼を受けたアシスタント(免税事業者)がいたとします。

そのアシスタント代10000円は漫画家さんにとって経費になるわけですが、
漫画家さんは課税事業者なためその経費の10%を
消費税として納税しなくてはいけません。

その納税しなければいけない909円は、
自身の漫画印税や原稿料の売り上げにかかる
納めなければならない消費税から、経費の消費税を差し引く
つまり相殺することができます。


売上:原稿料15万(消費税15000円)から、経費:アシスタント代9091円(消費税909円)
15000円-909円を引いて14091円の納税

元々15000円納めるはずだった消費税から、経費の消費税を差し引くことができるので納めなくてはいけない消費税が減るわけですね。

で、今まではそれで問題なかったのですが、
今度から、その消費税を相殺するには、
取引相手(上記の場合はアシスタント)に適格請求書(インボイス)を発行してもらわなければならない
適確請求書に記載されたもの以外の経費からは消費税を相殺できない。という風に変更されます。

相殺できない場合は消費税分納税額が増えることになります。上記の例だと15000円のまま、ということです。
だったら相殺したほうが得なので取引相手にインボイスの発行を求めたいですよね?

でも適格請求書(インボイス)を発行できるようになるには申請が必要で、
さらにそのインボイス発行許可を得ると、同時に課税事業者になってしまうのです。

免税事業者は消費税を払わなくていいはずなのに、
取引相手からインボイスを請求をされてそれに応えるためには
課税事業者(売り上げの消費税を支払う)にならなければならない。
上記の例だと、アシスタントも課税事業者にならなければいけなくなります。
いままでだと日給1万円だと思っていたものが、9090円くらいになってしまうということになるわけです。

なんでインボイスを発行しなきゃいけないの?

取引相手が免税事業者だと、
課税事業者は消費税を相殺できなくなるので結果的に払う税金が多くなります。

ということは課税事業者は消費税の控除ができない免税事業者相手よりも、
インボイスが発行できる相手の方が消費税が控除されるのでお得というわけです。

免税事業者同士の取引

企業から依頼を受けるイラストレーターさんとか
売上1000万円以上ある人気漫画家のアシスタントしてる人などは
上記の問題が直にかかわって来るので大問題だと思いますが、

私はアシスタント先に1000万円こえてる課税事業者の方はいない気がするので
今のところ特に問題ないかもしれないと思っています。

そう。なんで今まで免税事業者だった人が課税事業者にならなきゃいけなくてピンチ!という話題になっているかというと、
上記で書いたとおり課税事業者はインボイスを発行してくれるところと取引をした方が得なので、
そうすると発行できない免税事業者は取引から外されるかもしれない。
仕事が減ったら困るからインボイス発行できるようになった方がいい!?
というふうに考えられるのでみんな騒いでいるのです。

でも免税事業者同士の取引の場合、どっちも(売上の)消費税の納税は
免除されてるわけなので関係ありません。

なので今のところ私のような最弱アシスタントには問題ないのかな?と思っています。

今後状況が変わる可能性はある

ただ、その取引相手の漫画家さんの取引相手は出版社(企業)なので、
企業からその漫画家さんにインボイス発行できるようになりなさい、などという流れができた場合、
連鎖的にこっちにも回ってくるかもしれません。

ですが、そういった小規模の漫画家さんにインボイス関連の事務処理をする余裕や、
税理士を付ける余裕などないのは一目瞭然なので、
出版社側が強要する可能性は低いと思っています。

もしそのようになったらまた考えますが、現状は様子見するつもりです。
情勢が変わったら追記したいと思います。

同人作家やコミッション、クラウドソーシング、フリマアプリの取引などは

売上1000万以下の人の場合すべて現状維持で大丈夫かなと思っています。

同人誌の書店委託先などは企業ですが
それらを活用しているほとんどが趣味で本を出している人たちです。
もし企業がインボイスの発行を求めても、対応できない・対応しない人が大半であろうことと、
利用者は発行を求めない会社を選ぶのが目に見えています。

そういった利用層を鑑みると、
1000万以上売り上げてる人は個別に通達とかありそうですが、
それ以外の大部分の人は
同人界隈の企業からインボイスを求められることは現実的ではないと考えられます。

コミッションで稼いでる場合ですが、
サイトを利用している場合、
サイトシステム的に請負側の受け取ってる額と依頼側の支払金額がサイト手数料の関係で違いますし
請負側に請求書を求められることはないはずです。

クラウドソーシングやメルカリなどのフリマアプリに関しても
サイト上で決済があるような場合は同様だと思います。

ただ、それらのサイトが、今まで経費にできていた分ができなくなるため、
その補填のため手数料などを上げる可能性は大いにあります。
それは結局利用者(こちら)側に不利益として返ってくるので、
そういう意味ではあまり楽観視していられないかもしれません。

参考サイト
インボイス制度の導入で免税事業者が不利になる、という問題
消費税アップは税率2%増のことよりも、免税事業者を根こそぎ刈り取るインボイス制度こそが恐ろしいのをご存じですか?
本当によく分かる消費税軽減税率・インボイス ①フリーランスも課税に(youtube)