漫画アシ&同人作家の確定申告。グッズ、ソシャゲ課金、経費になる?

税・確定申告

2018年確定申告やっと終わりました~!

ちゃんと申告相談にも行って提出してきたので間違いないはず。

いやあ疲れた。
毎年のことですが1年に1回しかやらないので毎回同じことを調べて混乱している…

ということで今回は
来年の自分のためにも確定申告のアレコレの覚え書きを残しておこうと思います。

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経費とは

経費というのはサラリーマン自営業、フリーランス(個人事業主)では認識が違います。

サラリーマンの人だと、
経費=会社から支給されるお金=自分はお金出さない(もしくはあとから返ってくる)

という認識の人が多いと思いますが、フリーランスは全く違います。

フリーランスには雇用主は居ません。つまり経費も自分自身が出さなくてはいけません。

よく自営業者が飲み会や食事会のあとでのお会計時に

「経費で落とすから気にしないで~」

と言って支払う光景がありますが、
これはただの奢るための言い回しにしか過ぎません。

結局自分の懐から出してどこからも支給されるわけではないんですから。

これに関してはこちらの税理士ヒロさんのyoutubeチャンネルで分かりやすく解説されているので
ぜひ見てみてください。

これは経費で落ちません!【経費って何?節税と脱税の境界線とは?】

ちなみに動画の中で漫画や雑誌は経費にならないと言っていますが、
漫画関連の事業の場合は
経費にできます

フリーランスの経費とは

経費とは事業を行う(利益を得る)ためにかかった費用で、
本来税金がかかるはずの収入の全体額(課税対象額)から、かかった費用額を差し引くことで、
課税対象額が減ることで、結果税金が減る。

ということです。
たとえば

5万円のパソコンを自分で買い
アシスタントをして11万円の収入を得たら、
収入自体は11万ですがパソコンの5万円を経費にできるので
結果残った6万円が課税対象になる。
という感じです。

5万は普通に自分の懐から出ているお金なので
パソコンを買わなければ11万が残ります。
その場合11万円自体に税金がかかりますが、税金を差し引いても6万円以上は手元に残るはずです。

なのでフリーランスが飲み会やご飯を「経費で落とすから奢るよ!」っていうのは
(仕事関係の飲食であれば)接待交際費などとして経費に計上できるというだけで、
奢らなかったらそれは貯蓄になっているものなのです。

自営業って飲食費も経費になる(※事業に関係あるもののみ)の?いいなー!と言われますが普通にただの自腹なんですよ!

どんなものが、どこまで経費になる?

とはいえ必要なものを買い控えたりして事業が不便になったら本末転倒です。
本当に必要なものや、今まで経費にしてこなかったけど実は経費になるものなどは
どんどん計上して節税しましょう。

漫画アシスタント、同人作家でわかりやすく経費になるのは
パソコンなどの周辺機器や画力向上のために買った書籍、参考書、イベント参加費関連などでしょうか。
これらは全額経費になります。

それ以外では執筆業だと住んでいる家賃、パソコンを使うのであれば電気代、
それに伴う通信費(インターネット代)など一部経費にできます。

一部経費ってどういうこと?というのを説明していきます。

家事按分とは。生活費と事業費

自宅で仕事をする人の場合、私生活の空間と仕事の空間が同じ場所に存在していることになります。

その場合、仕事で使っている割合に応じて家賃、光熱費、その他必要物資などの一部を経費にできるよ、というものです。

按分の割合はどのくらい?

住居と作業場がが同一の人は家賃などは5割以下にしておくのがいいようです。
(家賃5万円なら2万5千円を経費にする。電気代1万円なら5000円を経費にするなど)

電気代、プロバイダー代などは作業に直結してるものは多くても認められる傾向にあります。

水道代は仕事中のお手洗いに使う程度の割合、数パーセント~20%くらいが目安、
ガス代は認められないこともあるようです。

作業に必要で買ったけど、作業が終わったあと私的に使うものに関して。

たとえばハンバーガーを描くために資料・見本として本物を買い、描き終わってから食べたとき。

これはモノにもよりますが私は1割~5割を経費にしています。
500円のハンバーガーだったら50円~250円を経費に、という感じです。

このくらいの値段だったら注意されることはないと思いますが、
高額なものだと経費と認められない場合があります。
本当に必要だったのか、私的利用目的での購入じゃないかとか、もっと安くすむ方法はなかったのかなど
注意されることがあるようです。

飲食費に関して

他にはファミレスでネームしたり。ネットカフェやコワーキングスペースにこもって作業したり、
即売会の打ち上げ(売り子さんに奢った場合)なども経費になります。

ただしただの食事代は経費として認められないことが多いので、
打ち上げであっても割り勘で支払った自分のみの食事代などは入れないようにしましょう。

経費で認められないってどういうこと?

よくある勘違いなのですが確定申告を提出し終わってなにも連絡がなかった、OKだったんだ!や、
税務署のチェック受けて何も言われなかった!OKだったんだ!というのは間違いです。

ここでチェックされてるのはあくまで書式や、ぱっと見の間違いをチェックしているだけで、内部の数字などはよほどおかしくなければスルーです。

では「経費として認められない」というのはどういうことなのかというと、それは「税務調査」です。

税務調査は法人化してる場合ほぼ確実にやってくるそうですが、
規模の小さい(売上1000円以下)のフリーランスの場合はランダム、運が悪かったら来るかもしれない、といった確率のようです。

税務調査が来た場合、過去までさかのぼってチェックされますので、不備が見つかると追加徴税がありますので申告は正しく行いましょう。

二次同人作家ならではの経費

アシスタント業では割と資料や経費は明確なので悩むのは按分の割合位なのですが、

二次同人活動ってぶっちゃけどこまで経費にしていいの?

二次同人活動の経費のボーダーって例があまりないし悩みますよね。

今回は申告相談で聞いてきたことや調べたことをまとめていきたいと思います。
(あくまでひとつの意見として参考程度にお読みください。
税務署や税理士さんによって意見が異なる場合があります。)

二次同人誌での経費

それでは二次同人誌での経費について説明していきます。

上でも書いたように、フリーランスの経費とは
経費=税金を算出する大元の収入金額を減らす=節税対策
です。

二次同人活動ってファン活動だし
今から言う物を経費としてあげるのはどうなの?というご意見がありそうですが
誰かが損したりするわけじゃないし、税金が減るならラッキー♪くらいのテンションで
ガンガン計上していきましょう。
これらはただの節税なのです。

完全に経費にできるものたち

  • 印刷代(ただし計上の仕方がめんどくさいです。下記記事で説明しています)
  • 即売会イベント参加費。コミケだったら1000円の申込書も。(会場で買うと領収証は出ないのでいつどこで買ったかなどメモ書きなどを残しておきましょう)
  • 参加費や印刷代の振り込み手数料
  • イベント搬入・搬出の宅配料金。コミケの場合は搬入受け渡し代1箱500円のあれも(領収証出ないのでメモを残しておきましょう)
  • イベントに参加するための交通費・宿泊費(電車賃は領収証が出ないので経路と金額をメモして残しましょう)
  • 同人誌のゲストの稿料。お礼の品代
  • スペース装飾の備品(敷布やポップスタンド、ポスタースタンド、ポスターの印刷代など)
  • 自宅でプリントする場合の無配ペーパーやお品書きや値札などの紙、インク代(同人のみの使用でなければ比率を按分する)
  • コンビニコピーの場合はレシートが出るものは取っておく。出ない場合はメモで詳細をきちんと書き残しておく。
  • ノベルティや無配グッズなど。
  • サークル同士で差し入れする場合は差し入れ代。接待交際費として計上。差し入れ代ってけっこうするよね……。
  • 売り子さんへの謝礼金
  • 書店への宅配代
  • 原作があるものは連載雑誌や原作のコミックス、円盤、設定資料集など

こんなところでしょうか?思い出したらまた追加していきたいと思います。

それってOKなの……?という微妙なものたち

原作の一コマや、アニメのワンシーン、とあるグッズの描き下ろしイラストで妄想が膨らんで
一冊本が描けちゃうことってありますよね。

こういうものたちって経費になるんでしょうか?

なります

ただ、金額によっては全額だとツッコまれる可能性があるので何割か計上という形が望ましい場合もあります。

完全にお金のためだけに描いてる!という人は全額計上してそう説明すればいいと思いますが

ほとんどの人は愛ゆえに本を出した結果、黒字になった人だと思います。
そういう、趣味で購入した物だけど、同人誌の収益にもかかわった物の場合は全額計上ではなく按分しましょう。

上記のように本を出すきっかけになった公式の雑誌やグッズ。
聖地巡礼や作品に活かすための取材旅行は取材費として経費にできるそうです。
本を作る要因、携わったものなどは全額ではなくとも経費にできます。

私はだいたい1~5割で計上していますが、
この按分は本人のさじ加減&税務署に突っ込まれたときにきちんと説明できるかの具合によります。

ソシャゲの課金

これも人によって意見は様々だと想うんですが、

たとえば課金しないと見られないシナリオに関するネタの本を出した場合だったら
かかった金額の何割かは経費にしてもいいそうです。
これも全額~何割かの塩梅はその人の匙加減となります。

高額すぎると「それ本当に必要だった?」と突っ込まれる場合もあるそうですが。
(あくまで私が聞いた税理士さんの判断なので、参考程度にお考えください。
ダメだと言われる場合もあります)

経費になるか迷った時の考え方

これは経費になるのか、なるとしても何割くらい入れていいのか、と迷ったらこの考え方で計上しましょう。

それは
税務調査などが入った時に、調査官にちゃんと説明して納得してもらえると思うかどうか
です。

実際納得して経費に認められるかは別として、「これは絶対経費なんです!!」って説明できるものを計上するのが望ましいです。
調査の時に「やっぱりこれダメですよね~?」っていう態度だと
否認されるものが多くなってしまう可能性がありますし(調査官からしたら税金徴収したいんだからそれは当然ですよね)
自信をもって説明できるものだけにしておきましょう。

経費にならないもの

以下は誰もが「経費になったらいいな」と考えるものですが、一般的には経費をして認められないものたちです。

  • 即売会のために用意した普通の洋服代・美容代(ただしサークル主Tシャツとか売り子Tシャツ、コスプレ用品などはサークルスペースの装飾の一環として経費OK。こういうものは広告宣伝費になります。)
  • 目薬、ホットアイマスク、シップ、マッサージ器具など、作業中に使うものだとしてもこれらはNGなようです。整体やジムも難しいようです。

ちなみにこれはあくまで執筆業として経費にならないものをあげているんですが、
youtuberなどの芸能活動で外見のメンテ(エステなど)が必要だったり、
課金動画の課金や買ってみた動画・商品紹介動画をアップする場合の購入代金は経費となるそうです。

まとめ

結局経費って、匙加減がすごく大事!って印象でした。
これらはあくまで一意見の参考として、
気になる方は自分で税務署に行ったり税理士さんに相談したりしてください。

そして次の記事ではやよいの白色申告オンラインを使って同人の経費入力してみた編です。

売り子さんって給料扱い?
再版した本の帳簿ってどうなるの?
などの説明を書いています。ぜひ読んでみてくださいね!

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