足りないのはセンス?語彙力?
画力や漫画力が上達してくると
今度はストーリーの細かいところで悩むことが増えてくると思います。
特にモノローグで悩む人って多いんじゃないでしょうか。
モノローグは文章だから漫画の練習方法とは全く異なるし、
小説の書き方とも違う。
モノローグ力、ポエム力で作品、ストーリーへの引き込まれ方が左右されます。
とくにカップリング本ではとても重要です。
そして、ポエムが苦手な人って「ちょっと苦手」ではなく「全然書けない」人が多い気がします。
自分がそうだったのですが、
書けない人はほんとうに書けない。
たとえば「悲しい気持ち」をモノローグでいい感じに表現したくても
「悲しいという言葉以外が出て来ない」という状態でした。
モノローグがポエミーに書ければきっともっと作品がよくなるのに…!!
というわけで今回は私がポエム力を上げるために練習した方法を書いていこうと思います。
比喩表現を鍛える
あくまで自分は、なのですが、
引き込まれるモノローグの共通点って「比喩表現が美しい」と感じるものが多いです。
ひ‐ゆ【比喩/×譬喩】
ある物事を、類似または関係する他の物事を借りて表現すること。たとえ。
goo国語辞書
例えば、「雨空」を表現するとき。
私は
「雨が降っている」や「暗い空」など
見えているままの単語しか思いつきませんでした。
でも文章が素敵だなぁと思う人の表現を見てみると
「沈んだ心を映したような空」とか「神様が泣いていた」とか、
目から入る情報以外の言葉で表現されていたりします。
「表したいこと(ここでは雨)」の言葉をそのまま使わずに、でもそれとわかる表現をする。
こうやって書き出してみるとなるほど…?と思うんですが、
いざ自分で例えようと思っても全然出てきません。
まずはその状況を打開するために練習方法を探ることにしました。
比喩表現を探す
私は何かできないことが起きた場合、模写練習をします。
画力しかり背景しかり食べ物の描き方しかり。
そこで比喩表現も模写しようと思い、色んな作品を読んで比喩表現を探して書き出していきました。
そんな中、その時期にたまたまhuluで「名探偵コナン」のアニメを流し見ていたのですが
なんとなく見ていてもセリフ・比喩表現がインパクトが多々あって
そのたびに画面に惹きつけられたんです。
飛行機を着陸させることを「巨大な鉄の鳥を巣に戻す」と表現していたり
黒の組織の乗ったヘリコプターを「 巨大な闇夜に浮かぶカラス 」と表現していたり
夕日のことを「世界を血に染める太陽の断末魔」と表現していたり。
それまでは気にしたことなかったんですが、
改めて意識して見るとポエム力高い…!
引き込まれるセリフってどういうものかわかった気がしました。
比喩は語彙力じゃなくてセンス
ポエムとかモノローグが上手く書けない時に「語彙力がない」と言ってしまいがちですが、
語彙力はあまり関係ないと思っています。
上の例だと「鉄」も「鳥」も「巣」も「闇夜」も「浮かぶ」も「カラス」も「血に染める」も「断末魔」も
自分の語彙の中にありますが、
これらの言葉を組み合わせて飛行機やヘリや夕日を表現しようという発想がないんですね。
なのでいろいろな表現を書き出して元の単語と比喩を見比べることで
こういう表現ができる!と頭に覚えさせて頭を柔らかくさせることが大事だと思いました。
単語から文章へ
単語の比喩の仕方はわかりました。
でも単語をポエムな言葉で表現できるようになっても、
その前後をつなぐいい感じの文章を書くにはどうすれば…?
簡潔で、伝わりやすくて、映像が広がる。
モノローグの文章はどういう練習をすればいいんだろう?と悩みました。
そんなとき、私はとあるテレビ番組の
文章の書き方について説明するコーナーに感動して、
それ以来ずっと参考に見ている番組があります。
それは有名なプ●バトという番組の俳句のコーナーなのですが、
これ、見たことある人は一度は感じたことがあるんじゃないでしょうか。
俳句のことは全然わからないけど
夏井先生が添削した文章のほうがあきらかに素敵なのはわかる!って。
元の文から、「こうすると効果的」「読む人にこういう影響を与える」という添削してくれます。
短い文章を読んだ時に頭に思い浮かぶカメラワークの順番とか効果的な語順とか。
俳句力を高めたいわけではないですが、
詩的文章の添削はなかなか見ることができないのでとても参考になります。
あと夏井先生の語彙力すごい。
季語は綺麗な単語が多いので見てると語彙力も高まります。
テレビのコーナーを真剣に見るだけでもかなり改善、詩力アップしますが、
より深く勉強したい方は
「文章(俳句ですが)をつくる」要点などが説明されているので
こちらの本などの俳句の作り方系もぜひ参考にしてみてください。
日々模写
こんな感じで日々、素敵な表現があったら模写して脳内にインプットしたり
文章の添削を積極的に見るようにしていたら
少しずつ悩まずに書けるようになってきました。
もともと頭が固く何かに例えることがすごく苦手だったのですが
練習すれば少しは改善します。
ぜひ、ポエムが苦手な方は試してみてください。