同人誌は本当に背景がなくても白くても売れるのか?

創作力・画力・漫画力
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同人誌の背景って重要?

最初に言ってしまいますが答えは「はい」です。
私は重要だと思っています。

Twitterなどでは「背景なんてなくていい。キャラが魅力的ならそれでいい」系がよくつぶやかれていますが、
あれを鵜呑みにするのはよくない。

正確に言うと、それが当てはまるのはすでに固定ファンが大勢いる大手サークルだけ。です。
背景の有無なんかに左右されないほどにストーリー構成が優れている人や、
キャラクター作画の画力スキルが飛びぬけて高い作家さんなどですね。

「そんなことないよ~カプやキャラの魅力が全てだよ!萌えればなんでもいいよ!」
ともよく言われていますが、
多分そう言ってる本人も気づいてないだけで
イベント会場で初見で選ぶなら
背景やベタトーンのない真っ白の本より、きっちり描き込まれた本の方を選ぶことが多いと思います。

もちろん「出ない神本より出るくそ本」という言葉がある通り、出すだけですごいです。えらいです。
でも毎回、背景を描き込む努力も、線を綺麗に描く努力も、ベタトーンを丁寧にやる努力もせず、
妥協をずっと続けていけば、きっと手に取ってもらえなくなっていきます。

描き込み具合を見て買うか買わないか決めてる層は結構いる

「中見てもいいですか?」と中を確認するのは
絵柄が表紙と違いすぎてないかはもちろん、地雷がないかの確認だったり、エッチなシーンがどのくらいあるかを確かめたりといろいろあると思いますが、

「手抜きじゃないか」を見てる層っていると思うんですね。

絵が上手いか下手かではなく、「精一杯描いた作品なのかどうか」です。

「精一杯」が描き込み具合や丁寧に描かれたということなの?と描き手側は思うかもしれませんが、
会場で買うか買わないか決める層は、そこしか入ってくる情報がないんです。

中も見ずに新刊が出たというだけで全部買ってくれるような固定ファンがいるサークルはともかく、
表紙やあらすじで惹きつけて、中身を確認してもらい、そこから購入するかどうか判断される。
そんな段階を踏んでもらうなら、パラパラと中身を確認してもらった時に、「読んでみたいな」と思ってもらわないといけません。

落書きのように荒い線ではなくきっちりペン入れした線を引く。
背景は下手でも描き込む。
ベタとハイライト、トーン、影トーンもきちんと入れる。
ネット上(SNS)で映える仕上げと、印刷されて本になった時に映える仕上げは違うことを理解する。
(※これは女性向けに限ったことですが、グレースケールのぼんやりした仕上げよりは、白黒のきっちりした「漫画的」な仕上げの方が好まれる気がします。)(※あくまで個人的な意見です。)

ジャンルや層によって好まれるトーンやグレースケールの仕上げについては
こちらの記事も見てみてくださいね

これらを意識するだけで手に取ってくれる人は増える……と思ってます。

まとめ

「思っています」ばっかじゃないかよ!って言われそうですが、
「こうすればもっと売れるようになるよ!」とは断言できないからですごめんなさい。

そのジャンルで流行ってる仕上げや雰囲気もあるだろうからね!

ただ、部数の天井はまだあるはずなのに行き詰まってしまった時、
こういう根本的な部分を見直してみるのもいいんじゃないでしょうか。

私は 同人活動を始めた初期のころ、 「雑でも許されるのは一握りの神サークルだけ」と自分に言い聞かせ、
「自分は雑に描いて売れるサークルではない。下手でも丁寧に。」をモットーにしていました。
今でも時間が許す限り丁寧に。理想の仕上がりには届かなくても実力を出し切る!と思って本を作っています。

気持ち的な部分になってしまうかもしれないけど、毎回「実力出し切った~!」と思う本を作っていると、
不思議と実力の天井が上がってレベルアップできるようになってきます。
今まで丁寧にペン入れしたら1枚4時間かかってたけど3時間でできるようになった!とかね。

ほんとに体感というか、感覚的なことになってしまいますが、
書き込み密度、線の丁寧さ、仕上げの有無で手に取ってもらえる数が変わったことがあったので、
話半分でも何かを考えるきっかけになったら嬉しいです。

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