二次創作非公式商業アンソロジーの依頼体験談

その他

非公式商業アンソロジー、ここ2、3年くらいでかなり減ってきたイメージがありますね。

まず商業アンソロジーについてですが、2種類あります。
版権元に許可を取っている公式・公認アンソロジー
無断で発行している無許可非公式の二次創作アンソロジーです。海賊版アンソロジーとも言われたりもします。

個人サークル発行のの二次創作アンソロとの違いは、
ファン活動などではなく利益を得るために、商業的に発行・販売している。ということです。

なぜこれらの本が非公式にもかかわらず世間に流通できているかというのは
ここでは書ききれないので気になる方はぜひググってみてください。

そしてこういった本は公式から許諾があるか非公式かはパッと見わからなく、(BLだとおかしいぞと思うかもしれませんが、中には夢系やオールキャラ系もありますからね)
無許可でも堂々と本屋に並んでいたりするので
「一般書店に全国的に並んでいる本がまさか無許可なわけないじゃん?」
と思ってしまう人が多いんじゃないかと思います。

私自身が世代的に「二次創作や同人誌」の世界を知ったのが商業アンソロジーだったこともあり
(昔は恐ろしいことに原作コミックスの隣に非公式二次創作アンソロジーが並んで売られていたのです)
私は当時、描き手として「商業アンソロジーに載ったらスゴイこと」という認識でした。
お恥ずかしい限りです。

考えを改めたきっかけは
「とある個人の二次創作を企業が同人誌発行して炎上した事件で商業二次創作の実情を知ったから」です。

現在は考えを改めておりとても後悔している件ではありますが
「すごいこと・光栄なこと」と思っていた時期に
非公式商業アンソロに寄稿してしまった経験があります。

今回は 商業二次創作での体験談を書いていきたいと思います。

これらはあくまで私の体験談と感想であり、
非公式商業アンソロジーに寄稿している作家さんを批判するものではありません 。

依頼条件などはサークル規模や出版社によって異なります。
あくまで私に出された条件なので他の作家さんは違う場合があります。

5年以上前の話であるため、現在とは状況が異なる場合もあります。
話半分にお読みください。

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①商業アンソロジーの依頼

一番最初に来た依頼は、いろんな作家さんが集められた某ジャ●プ作品二次創作アンソロジーでした。
商業アンソロと聞いてパっと思いつく系統の本です。

これに寄稿すると原稿料がもらえました。

小規模サークルには驚きの原稿料

サークル規模や出版社によって金額は多少前後すると思いますが、

すでに発行済の個人誌からの再録は1ページあたり6000円、
描き下ろしはもっと高い額が提示されていました。
(当時私は再録で依頼を受けたので描き下ろし原稿料の価格はうろ覚えのため割愛します。)

当時9ページほどの再録で依頼を受けたので、すでにある原稿を送っただけで原稿料なんと54000円
当時の私は、自分の原稿にそんな金額を付けてもらえるなんてと、
自分の実力が認められたようで、とても嬉しかったのを覚えています。
(二次創作だから声がかかったのであって、100%自分の実力じゃないのにお恥ずかしい…)

今では依頼を受けてしまったことを恥ずかしく思い、深く反省しています。

余談ですが、その54000円は次の印刷費の足しに使いました。
「商業アンソロに載ったんだから人気が出てもっと部数が必要になるかもしれない!」
多めに刷って見事爆死しました。
当時は悲しかったですが今思うとそうやって消えてくれてよかった、生活費とかに使ってなくてよかったと
思っています。

②同人作家集の依頼

その後も非公式商業アンソロ依頼は何度か来ましたが全て断っています。
そんな中、上記①のようないろんな作家を集めたアンソロジーではなく
一人の作家の同人誌を集めた個人集の商業本の依頼が、発行詳細とともに突然送られて来ました。

上で記載した件の報酬は、再録なのに1ページ6000円って高いなという印象だったのですが、
この個人集の依頼はレーベルが違うからか私のサークル規模によるものなのかはわかりませんが、
買い叩くような依頼内容だったのです。

同人作家個人集。原稿料はなし。印税は…

提示された依頼の詳細には
再録する原稿料やカバーイラスト、描き下ろしページの原稿料もなしとのことでした。
さらに印税は「実売数」によって計算されるとのことだったのです。

印税って普通刷った数で支払われるものなんですけどね…。

おまけに作家本人分の見本誌は自身買取など、
他にも細かい契約内容が納得できるものではなく、
「商業」という肩書が嬉しいだろう?という足元を見たような契約内容でした。

商業アンソロを出していた出版社の中では有名な会社だっただけにとても残念だったのを覚えています。

ただこのあたりの条件はサークル規模によって異なっていたようです。
別ジャンルにいた大手サークルの知人に来た話ではもっと好条件だったと聞いています。

もちろん断っています。

コンタクトはPixivのDM

ちなみにどの出版社からもコンタクトは全てPixivのDMからです。

下記の記事でも書きましたが(こちらはオリジナル漫画の依頼でしたが)
最近の作家探しはPixivなんだなあと実感しました。Twitterからも多いですよね。

最近は見かけない商業アンソロジー

最近は本当に見かけなくなりましたね。

完全になくなったわけではないのかもしれませんが、
商業アンソロを見るたびにモヤモヤしていた数年前までのことを思うとちょっとホッとしています。

そんなわけでこの記事が誰かのお役にたつことはないかもしれませんが、
とある同人昔話としてお読みいただけたら幸いです。